今日の名言② 一羽の燕は春を作らず

一羽の燕は春を作らず :古代ギリシア・ローマのことわざ

偉大なことは一度限りの苦労によってなされるのではなく、地味な努力の積み重ねの上に成り立つことのたとえです。
有名な「ローマは一日にして成らず」と同じ意味ですね。
別の解釈として、何かを証明するためには、ひとつのみならず沢山の証拠が必要である、という意味も表します。

テスト期間だけ勉強に力を入れても、評定を上げるためには不十分です。ましてや志望校合格を掴み取るためには、いっそうの努力を長期間に渡って継続する必要があります。そして、数多くの問題を解いた経験はやがて実力を証明してくれるでしょう。積み重ねた努力が、歩んできた道が、あなたを暖かい春へと導くのです。

Tips:英語では“One swallow does not make a summer.”と言います。イギリスでは、夏にならないと燕が飛来しないからとのことです。ことわざが伝承される中で、その地にマッチした形に変化するというのは面白いですね。

参考文献
柳沼重剛,『ギリシア・ローマ名言集』(岩波書店, 2003年)

今日の名言① Vive hodie.

Vive hodie. /今日生きよ —マルティアーリス(古代ローマの詩人)

未来や過去に囚われることなく、今日という一日を大切にせよ、という意味です。

この言葉の根底にあるのは、明日も今日と同じように生きられるかは分からない。
だから明日の自分をアテにせず、今日できることは今日のうちに完遂せよという精神です。

勉強するとき、明日はコレをやらなきゃ、明後日はソレを、、、などと考えて、追いつめられてしまった経験はありませんか?
計画を立てることはもちろん大切ですが、今日解くべき問題に向き合っている間は、未来のことは一旦置いておいて、目の前の課題に集中してみましょう。そうすることで、少し心が楽になるかと思います。

なにより、一日一日を大切にし、充実した時間を着実に積み上げることこそが、結果的に良い未来を導くのではないでしょうか。

(参考文献)

山下太郎. “Vive hodie. 今日生きよ:マルティアーリス”. 山下太郎のラテン語入門. 2023-7. https://aeneis.jp/?p=1012, (参照2024-07-25)