思い出に生かされる

浪人生の時、私は自習室で泣きながら勉強していた。

どんなに努力をしても成績が上がらなかった。

問題が何も解けなかった。

自分の頭の悪さに絶望した。

何の勉強もしてこなかった自分を殺したいとさえ思った。

今までの人生すべてに後悔した。

できることならやり直したい。

そう思った。

人は、それまでの思い出に生かされもすれば、緩やかに殺されもする。

私はこの時、緩やかに殺されそうだった。

でも、今の私は

泣きながら毎日勉強していた思い出に生かされている。

絶望の淵に立たされた思い出と、

絶望の淵から這い上がった思い出に生かされているのだ。

あの日々を乗り越えたから、今の自分がいて

今も、これから先も

どんなことがあっても

私は頑張れる

今後の努力次第で、受験生活の思い出に、緩やかに殺される人が出てくる。

そんなことにならないように、あと少し

泣きべそをかきながらでも、死に物狂いで勉強してほしい。

破り捨てたい過去に、生かされる日が必ず来るよ。