名刺代わりの小説10選
のようなハッシュタグがTwitterで存在するのを御存知だろうか。私はこのハッシュタグに出会ってからというもの、小さな声で名刺廃止運動を唱え続けている。
「チョウダイイタシマス」「チョウダイイタシマス」と鳥のように言い合わなくて済むし、なにより本10冊見れば、24時間話すよりも一瞬で人となりが分かると思うんだもの。
そんな私の名刺の1冊、クリスマスにピッタリの
「きよしこ」
という本をとりあえず、
とりあえずどうにかして読んでくれ。
なにも内容はクリスマス感などゼロで、著者の重松清さんがクリスマスソングで有名な”きよしこの夜”を
きよし、この夜
ではなく
きよしこの、夜
だと思っていたというだけの話である。
このひょんな勘違いから始まる壮大なストーリー、クライマックスに待ち受ける大どんでん返しなどは一切ないが、重松清さんの幼少期の出来事が切々と綴られている。
今までで唯一書かれている「個人的なお話」だそうだ。
”お話に出来るのは、ただ、そばにいるということだけ”
作中重松さんはこう言っていた。
私もそう思う。
ただ、「ただそばにいた」このお話に、あの少年は、あのお母さんは、どれだけ救われたことだろうか。
あの少年は、青年になり、大人になったのだろうか。そう思わずにはいられない。
皆にも、「ただそばに」いてくれる素敵なお話に出会って欲しいと思う。
このブログに感化されて重松清さんの本を手に取ったそこのアナタ。きっと、この世にこんなに心のかわいいおじさんが、よくもまあ存在したものだと驚き顎が外れそうでなかなか外れないかもしれない。
私も”心をキュートに”活動に勤しみ重松さんの本を読み漁ってはいるが、キュートへの道は程遠い。
まずはおじさんになることから始めてみようと思っている。