大学入学共通テスト入試から見る志願者数

今年度の大学入学共通テストにおいて、得点調整は実施されないことが発表されました。
今回は、物理と化学の平均点差が最大で13.63点でしたが、得点調整が実施される基準である20点差を下回ったため、調整は行われませんでした。

私立大学の共通テスト利用型入試は、直接試験会場に向かわなくても当日の共通テストの得点で合否が決まるところが多いため、移動の負担や検定料を抑えながら複数の大学に出願できるのが大きなメリットです。
今年の共通テストの平均点は前年と大きな差が生じる可能性が低いことから、この方式を活用する受験生が増えることが予想されます。

実際、現時点での志願状況を見ると、多くの大学で志願者数が昨年を上回っています。

例えば、早稲田大学では共通テスト利用入試において大幅な志願者増加が見られています。一般選抜でも共通テストを併用する方式を採用する学部が多く、受験機会の拡大が志願者増加の要因の一つと考えられます。
特に、政治経済学部では2024年度の志願者数が2,366名であるのに対し、2025年度は3,964名と約1,600名も増加しました。

また、社会科学部でも2024年度の1,384名から2025年度は2,120名へと、約730名の増加も見られました。


この傾向は早稲田大学に限らず、MARCHレベルの各大学でも志願者増加の傾向が顕著であるため、共通テストを積極的に活用する受験生が増えていることがうかがえます。