自分の持ち物の中に「相棒」というべきものがあります。
「万年筆」です。
学生の頃、塾講師のアルバイトをしている時に
生徒のノートに見開きで説明を書き加えることがありました。
大きく・きれいに書くために、先輩が使っているのを見て、買いに行きました。
LAMY社のsafariという万年筆です。
今では珍しい「西ドイツ製」です。


神保町の「金ペン堂」という超有名店で購入しました。
3千円くらいの安物ではありましたが、当時は、そういった万年筆でも
ご主人がペン先を調整されていました。
書き味はいうまでもなく、サラサラ・キビキビと書けます。
良い万年筆はシャープペンやボールペンと違い、
書いて疲れることはありません。
むしろ楽しくなります。
就職後も常にワイシャツの胸ポケットに着けていましたが、
時代はワープロ、パソコンの時代となり、
だんだんと活躍の場を失って行きました。
パソコン中心の仕事となり、しばらく使わなかったら、
インクが固まって書けなくなってしまいました。
愛着があったので、お店に相談しましたが、
「分解清掃は高額になるので買い替えた方が良い」と言われました。
そこから約20年。
つい最近、万年筆の洗浄キットが販売されていることを知り、
試しに使ってみました。
インクを補填して、便箋にペン先をのせたら、書けました。

それも当時を思い出すようなサラサラ・キビキビの書き味です。
ペン先をひっくり返してもきれいに書けるのが「金ペン堂」の自慢です。

久しぶりの相棒の復活を喜び、ペン先を洗い、再び眠りについてもらいました。
今は「一生モノ」として購入したペリカン社製の万年筆を使っています。
「30年は使ってもらわないと」という「金ペン堂」主人の言葉を守るよう、
大事に使っています。