ある新聞記者の半世紀以上の昔話。
新人時代、新潟支局で
サツまわり(事件記者)をしていたそうです。
当時、メール・ファックスはおろか、
電話や電報も十分に機能していなかったそうで、
佐渡島での取材では、伝書鳩を使っていたそうです。
複数の新聞社との情報合戦もあり、
他社の鳩に腹いっぱいピーナッツを食べさせ、飛べなくして
自分の会社だけ抜け駆けを図ろうとしていたそうです。
取材を終えて、各社いざ一斉に鳩を放ったところ、
一羽も飛ばなかったそうです。
結局、他社も同じようなことをしていたそうです。
「人を出し抜こう」という気持ちは、邪(よこしま)でありながら、
受験勉強においては決して悪いことではありません。
そこに何某(なにがし)かのエネルギーがあるからです。
ただ、人間ができることは限られているし、
名案、と思ったものは、大抵は別の人も
やっていることが多いのです。
そんなことが分かったら、ショックをうけることなく
「フッ」と乾いた笑いをしてから、黙々と勉強しましょう。
それも良き思い出です。