同一大学同一試験日の併願にはご注意!

近年、私立大学の一般選抜では、様々な方式が採用されています。

その結果、併願自体はしやすくなりました。

併願をたくさんすることは、合格のチャンスを高めることができるので良いのですが。

同じ試験内容を使って併願する場合は、注意が必要です。

一番わかるやすいのが「共通テスト利用方式」。

一回受験するだけで、複数の大学に出願できるのは、大変便利なのですが…

言い換えれば、その一回の試験(共通テスト)で失敗してしまうと、

出願したほぼどの大学や学部でも不合格となりかねません。

これと同じ様に、

たとえば明治大学の「全学部入試」などは、

一回の受験で複数学部に出願できて便利ですが、

学部間の配点や合格最低点に、差がないことが多いため、

併願した学部にすべて合格するか、すべて不合格になるか、

といった結果になりかねません。

英語の外部検定利用方式と、普通の3科目入試(いわゆる一般入試)も併願できる大学が多いと思いますが、

英語以外の科目は、同一の試験結果で合否を出すところが多く(たとえば日本女子)、

英語で予想外に失敗したりうまくいったり、という場合の保険的な意味あいで受験する以外、

併願をふやしても大幅なリスクの軽減につながらないことは注意しておきましょう!

出願時の調査書

そろそろ出願の準備をすすめる時期になってきました。

この時期調査書についての質問が時々あります。

代表的なものをふたつ。

  1. 複数学部を受験したり複数回受験したりするのに何通必要ですか?

   入試要項を見ると分かりますが、基本、1大学につき調査書1通です。

   ただし、2回に分けて出願する場合は2通必要になることが多いようです。

   つまり、複数学部や複数回の受験であっても

   たいてい1通の封筒でまとめて出願しますので、

   調査書を1通同封しておけば問題ないということ。

   追加で出願する場合は、別の封筒で出しますので、

   その場合は、追加出願の封筒に調査書をもう1通入れる必要がある

   ということです。

 2.調査書の成績は合否に関係ありますか?

   実際のところ、一般選抜では入試配点上の記載あるような特別な場合でなければ、

   ほぼ関係ないようです。

   一時期、渋谷にある私立のA大学の入試要項に

  「入試の得点が並んだ時には調査書の内容を参考にする場合がある」

   という内容の記載がされていたことがありました。

   A大学の入試課に電話で問い合わせてみたところ、

   その当時数年さかのぼってみても、

  「実際に調査書の成績で合否を決定したことはなかった」

   とご回答いただきました。

   調査書の成績は必要以上に心配しる必要はなさそうです。

早稲田政治経済学部の英作文

2021年度一般入試(学部独自試験)から問題形式が変更されました。

2022年度入試は変更後2年目の入試ということになります。

数学を含む共通テスト4教科と、総合問題の独自試験の合計で合否が決まりますが、

総合問題は、実際は「英語」「日本語」のセクションにばらばらに分かれていましたね。

また、英語のセクションでは従来通り自由英作文が出題されました。

あるテーマについて、賛成か反対かを複数の理由と併せて英語で述べるものです。

テーマ自体も結構難しいので、複数の理由を考えるのも大変です。

近年は以下のような問題が出ていますが、

みなさんは(日本でもいいので)賛否の理由を挙げられますか?

○平和的な抗議活動は、たとえ、抗議する人の声が無視されていると感じられる場合でも、暴力に訴えるべきではない。(2021年)

○スマーフォンは、ティーンエイジャーにとって益より害がある。(2020年)

○どんな大学生でも少なくとも一学期間の間、留学することが必要だ。(2019年)

○政府や大企業の要職につく女性について、最低限度の割合を定める法律が決められるべきだ。(2018年)

○同性婚は日本で法律で認められるべきだ。(2017年)

国際教養学部でも同様の問題が出題されます!

新設学科(青山学院大学-ヒューマンライツ学科)

青山学院大学の法学部に2022年から「ヒューマンライツ学科」が新設されます。

”社会問題の中でも特に人権問題について、

鋭敏な人権意識、

問題を冷静に考え分析できる思考力と分析力、

問題の解決・改善に向けて説得的に論じる表現力を身に付け”る。

と大学から発表されています。

人権問題やジェンダー論に興味を抱き、法権利のスペシャリストを目指すにはうってつけの学部です。

法学部の一般選抜入試は…

 ☆共通テスト利用型…(共通テストで英・国・選択)

 ☆一般選抜(全学部) …(個別試験で英・国・選択)

 ☆一般選抜(個別学部A方式)…(共通テストで英・国・選抜)+(個別試験で総合問題A)

 ☆一般選抜(個別学部B方式) …(共通テストで英・国・選抜)+(個別試験で総合問題B)

の4つの方式があります。

法学部の場合、「総合問題」の内容は…

総合問題Aの出題範囲は、

「現代文」「17世紀以降の日本史」「17世紀以降の世界史」「政治経済」

となっていますが、

2021年度の入試問題を見ると…

【現代文】【政治経済】

寄りの問題が多いように思います!

総合問題Bの出題範囲は、

「英語」「17世紀以降の日本史」「17世紀以降の世界史」「政治経済」

となっていますが、

2021年度の入試問題を見ると…

【英語】

図やグラフを読み取ったり意見を書かせたりといった【小論文】っぽい問題が多いように思います!

このように、「一般選抜(個別学部Aや個別学部B)」は、

学部の特徴からか、「政治経済」を勉強している人と相性が良さそうです。

政経受験者は積極的に受けてみるのもありですよ!!!

2021早稲田大学入試の正解

2021年度の早稲田大学の入試が終わり、大学から正解が発表されました。

全学部で正解が発表されるようになったのは、

2020年度(昨年度)からですが、

今年度は、「解いていて迷う問題」が格段に少なくなった気がします。

おそらく、正解を発表するようになって、

大学側もより客観的な根拠のある問題の出題をするようになっているのではないでしょうか。

英語を例に挙げると、

◆商学部のT/F問題(内容一致問題でT(本文と一致する)とF(本文と一致しない)を選択する)

◆人間科学部の大問2(前置詞)

◆人間科学部の大問3(誤り箇所の指摘)

などは、難易度が易しくなっていたと思います。

その一方で、社会科学部は、例年通り「難解な」(という言い方にあえてしておきますが)問題でした。

大問3の3.や8.は、

予備校各社の解答速報では、どこも「正解」にしていない選択肢が、

大学の発表する正解になっていて、

入試問題としては少し難があるかもしれません。

社会科学部の英語は、長文や選択肢に出てくる単語も相当、難しいものが多く、

これから受験生になる皆さんは、

ある程度の覚悟が必要かと思います。